50MHz帯用 2エレ 移動用 軽量 デルタループアンテナの製作

以前作ったシングルのデルタループに継いで、今回は2エレメント化してみた。
構造は移動運用用で雨風への配慮は無い。早く組立、簡単分解が主眼点。

MMANAでおよその見当を付け、周波数特性、指向性、FB比などを睨みながら微調整して、手持ちの材料で
製作することを前提で寸法も手直しした。
そのままVSWR特性を見ると当然のことながら、デルタの下部頂点が90度では50Ωにならないので、
マッチング回路を追加することになる。

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世の中はなぜかガンマーマッチが多いが、作りやすさではLC集中定数。このときのLは空心、Cはエアトリマーが良い。
マッチングの定数はMMANAの「表示」「オプション」「LCマッチ」で簡単に決められる。下図
この機能は最近まで知らずにSmithというアプリでスミスチャートを使って定数を決めていたが、こっちが格段にラクチン。
Lは10ミリくらいの棒に数回巻で150nH程度になる。伸ばしたり潰したりで定数を変える。トリマーは40PF程度が使いやすい。

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エレメント支持部は100均のプラまな板。これは便利。鋸、かんなが使えてドリル加工も楽。
パイプ保持金具は少々ヤワだが、パイプサドルという出来合いの金具。結束バンド数本でも良いかも。

パイプの選び方、最近のホームセンターのアルミパイプはアルマイト処理してあるのが多いので、導通が無いので注意が必要。
内径外径の差で差し込んでつなぐが、差が1mm位無いと、抜き差しがキツくて素早い組立、撤収が出来ない。
差し込んだ後は固定しない。奥まで入ってしまわぬように8~10cmです突破が必要。結束バンドが、ネジか、接着剤。
上部はステンレスより線ワイヤに目玉クリップを取り付けてこれでパイプの先端を挟むだけ。

エレメント間隔は約90cmこれは材料の関係で動かさず。
エレメント全体の長さの調整は、斜めの棒の長さ調節は、MMANA上では割と面倒なので、適当な荒さで近似して最後の詳細計算する。

MMANA上でカットアンドトライを十分に行って、物作りの後、寸法を取り直して最終確認。

広帯域で比較的利得もあり、FBもそこそこ使いやすそうなアンテナになった。
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マッチング部

   20240827_172625_r 分解してまとめるとこんな感じで持ち運べる

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WAS アワードを頂きました。米国50州

しばらく気にはなっていた、WASアワード、米国50州すべてと交信する件。
その最後のひとつデラウェア州(DE) が昨年の暮れにひょっこりつながった。
即日でLoTWでコンファーム。これで14MHz、デジタル/FT8のWASが完成。

ARRL/LoTWに紙カード無しで申請、数週間で賞状を丁寧に梱包して送ってくれた。

アメリカっぽい派手なデザインです。

気がつけば、JARLのアワードはひとつも無い。紙QSLと言うのがブレーキですかね。

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サブバッテリーとしてのポータブル電源とアイソレーター自作

無線のモービル運用のための電源はバッテリー直取りが一般的だが、停車中,エンジン停止時には電圧も低くなり少しつらいこともある。

以前から無線機電源用サブバッテリーとしてリチウム電池のポータブル電源をトランクルームに積んでいるが、これの充電を繋ぎっぱなしにしておくのはメインバッテリーにはかわいそう。ACCラインからポタ電充電入力に繋いでも良いし、理想的なのは市販のアイソレータだが、1万円くらいする。

バカバカしいのと配線を増やしたくないので自作した。最近の車はエンジン稼働時の供給電圧は比較的安定で14,3~14.5Vくらいである。ACCラインで制御せずメイン電源電圧で制御することにした。

全体のメイン、サブ電池の構成は図の通りで、アイソレーター回路も示す。電圧検出にヒステリシスが無いとチャタリングが起きて継続することがある。

機能としてはバッテリー電圧が13.8V以上でサブが接続され充電、13V以下に下がると接続リレーを開放して、メインバッテリーからサブへの流入が続かないようにした。結果的にはACCラインでリレーを動かしているのと同じ事である。

サブバッテリーの場所にシガーソケットがあればそれでリレーを動かせば簡単ではある。

使用したサブのポータブル電源はJackery製で、DC出力が10A 以上になっても、あまり電圧が下がらない。12Vを割ることは無く信頼できる。DC低下が心配ならAC-DC電源を使う手もある。運用の頻度にもよるが、走りながらの運用なら最少の240WHで、数時間の半固定運用なら700WHのモデルが良さそう。キャンプ、車中泊にも使おうというなら、もっと大容量を選べば良い。あるいはソーラーパネルも車に積んでおくと安心だろう。

以前はサブバッテリーとして使い古しの鉛電池を使っていたが、充電中のガス発生が気になっていた。最近のポタ電はリチウムで充電時のガスの心配は無いが、,交通事故で潰されたりすると発火の可能性はあるので要注意。

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HAM AWARD WAZ いただきました

1ヶ月ほど前、6年もかかってやっとWAZ(Worked All Zones)が完成、申請した。世界40ゾーンをくまなく繋ぐというのは相手が有ってこそ、感謝。ちんたらやっていてもいつかは出来ると思い続けて、やっとです。最後はZone33アルジェリアでした。

今回はMixなので、次はDigital WAZ、このサイクルのうち(3,4年?)に残り4ZONE達成しないと、諦めですね。歳も歳だし。
OMさん達のブログなど見ていると、2015年頃の記事が多いのはサンスポットの数と関係しているのでしょうね。

Award chaserと言うわけでもないので、また、のんびりやります。

今回の申請は紙のQSLを一切使っていません。すべてLOTWコンファームです。
けっこう手数料を取られるので、呆れています。紙の賞状はUSD20とのことでしたので、pdfでお願いしました。
紙の賞状は数ヶ月?かかるらしいがpdfは3日で送られました。よって、左下の証明?ワッペンはありません。

  AWARD No. 10800    2024.5.4.

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ラズベリーパイで遊んでみよう Raspberry Pi Arduinoとどう違うかお勉強

最近数年は再開した仕事の関係もあって、LoRa®という無線方式の変調方式を使用したシステムに関わってきた。
そのCPUはArduinoを使用し、最後はその互換モジュールとしてSTM32L432KCを使用した。
非常にパワフルで通常のアプリはほとんど何でもこなせた。

今年になって、引き続きの仕事を期待したが、提案に失敗して仕事が無くなった。
これ幸いと昔の趣味のレザークラフト・カービングを始めようとしている矢先、能登半島地震災害が起きた。
その支援に出掛けた支援関係者の事後報告で、無線で静止画が送れると役に立つと伝え聞いた。

一方来年度の官庁案件の予算取り提案で、同様に無線静止画伝送を扱うことになっている。
30万画素程度の静止画を数キロバイトに圧縮ができると言う会社ともコネクションができた。

Arduinoでも画像を扱うのはできなくはないが、荷が重い。すぐにカメラをつなぐことができるRaspberry Piに軍配が上がる。
扱ったことがないので、ちょこっと覗いてみたくなった。
いつもの性分で入門書とスターターキットを購入。やはりArduinoより少し高価な世界のようだ。
しかしCPUボードはかなりパワフルで、もうパソコンの領域に入っている。使える言語もいろいろでこれもパワフル。

しばらく本を拾い読みして購入したキットで遊んでみようかと思っている。
もう喜寿になってしまったので、遊ぶだけにしておきたい。

購入した入門書とスターターキット

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6m Band Delta-Loop アンテナの製作 事前準備編

先のデルタループアンテナの製作記事で、はしょってしまったシミュレーションの手順について簡単に触れておく。
理論説明は無しとして、作業手順だけを示す。

まず最初に、無調整状態のデルタループのアンテナをMMANAアプリでシミュレートする。
そのためのアンテナ定義データを作ってシミュレートし、Smithと言うアプリで集中定数によりマッチングを取り、再度MMANAに戻って定数の調整をし、実際に試作する手順をたどることになる。

1.最初のデルタループの寸法をアンテナ定義ファイルとしてシミュレートし、調整してそこそこのVSWRを得る。
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  上の定義ファイルの状態ではまだ集中定数のマッチング(右下の欄)はない。

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  VSWRは2.7程度で追い込めていないが、この状態でアンテナ入力インピーダンスを得る。
  r:129.9Ω、 jX:19.9Ω  これをスミスチャート上に投射する。

2.Smithと言うアプリを使用して、上記のアンテナインピーダンスをプロットする。
下の例ではキイボードからR,jxを指定し周波数を指定する。

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  次の図のようにプロットされる。

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DP1がアンテナインピーダンス。

3.この点から集中定数を使用してチャートのセンターに移動する。
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  チャートの右上のエレメントから並列キャパシタンスでセンターを通るサークルに乗る。

  次に同様に直列インダクタンスでセンターに移動する。
  理屈は考えずにあれこれいじって操作ができるはず。(^_^;)

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  これで得られた集中乗数を使って、MMANAでアンテナ定義情報に集中定数を追加して、計算する。
  ここでは34.5pFと0.20μHを得た。

4.MMANAに戻って、定義ファイルでは容量を追加するために、ワイヤー8を追加する。(計算タブのワイヤー編集使用)
Lはワイヤー上に追加できる。(例 w7c:ワイヤー7のセンター)

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のまま計算すると、VSWRは1.97で、まだ調整が必要。

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アンテナ定義の集中定数欄を調整して計算しこれを繰り返してVSWRが約1.0になるようにする。

繰り返すと言ってもマウスとキイボードなので、半田ごてを振回すよりはずっと楽。(^_^)v

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27pF、0.15μHでVSWRが1.01でマッチングがとれた。
以上の作業でPCでの準備が終わり、半田ごてを振り回して実際に物を作ってみる。
集中定数(トリマーとコイル)を調整してやれば、VSWRは容易に?落ち着くはず。

(上記のSmithの使い方はキチンと学習していないので、かなりいい加減な理解状態です。
  他の方のブログなどをご参考に理論を会得して下さい)

 

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6m Band Delta-Loop アンテナの製作 (あきる野市でのアンテナミーティング)

2023.12.03.あきる野市ヴィンヤード多摩でのアンテナミーティングで披露した移動用アンテナを掲載する。

 

アンテナ製作への要求事項:

6m移動運用に持ち運びが楽、軽量、撤収時短くなる
組立・分解が簡単=数分で組み立て、分解ができる
特性の再現性が良く、調整が簡単(又は不要)で、利得が高い
特に遠距離ねらいで無い場合には鋭い指向性は不便
   コンテストや移動サービスは指向性はブロードが良い

利得がそこそこで簡単構造は八木系ではなくループ系のアンテナ、特に1波長ループのアンテナが、ゲインが高く作りやすい。例えば、ヘンテナ、デルタ(三角形)ループ。
ヘンテナはワイヤでも製作ができてたたむと小さくなるが、高さを稼ぐにはかなり長いポールが必要になる。自立型にしようとすると構造が若干面倒になる。デルタループはエレメントをつなぐことで短くでき、自立型に作りやすく高さを稼げる。

ここではデルタループの製作事例を紹介する。

今回実際に製作したのは給電部の開き角度90度の逆三角形、天頂部をワイヤーにしてテンションを加えている。シミュレーションでは2エレのHB9CVと同等以上のゲインがありそう。実際、固定で使っている21MHzのデルタループは併設の3エレメント八木と競っても負けていない。
給電部の開き角度によってループのインピーダンスは大きく変わるので、給電方法、マッチング方法等に配慮して角度を決める。今回、紹介の物は90度開脚の集中定数マッチング方式。すべて手っ取り早く作れることを最優先に製作した。マッチングを手持ち部品で作れるという前提。適当なトリマコンデンサが無い場合には、送信電力に制約ができることもある。ドライバー1本で合わせこむ、お手軽調整だ。部品の入手などが無理なら後述(本稿末尾)する簡単な方法(マッチング部品無し)にして調整に多少時間をかけることになろう。

いずれの製作をするにしても一度はアンテナシミュレーションソフトで寸法などを確認しておくべきで、試作後に微調整をすることを考えるべき。MMANAと言うソフトがこの目的には使いやすい。
jp1khy.air-nifty.com/blog/2023/12/post-3aed0e.html

最初からエイヤッと作って、その後カットアンドトライは、見本がない場合には時間がかかり泥沼に落ちる可能性がある。

今回の製作事例の寸法などは次の図の通り。シミュレーションの状況も示しておく。VSWR<1.5のバンド幅は1MHz以上あり、ブロードになった。(どこかにロスが大きく隠れているのか?)   図はクリックで拡大できる。

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なおマッチング回路無しで製作するのであれば、開脚角度を60度以下(45度?)にしてエレメントを235cmに長くし、天頂ワイヤーは160cmでほぼ50Ωになりそう。エレメント235cmを三本つなぎで作れるならこれが良い。非常にシンプルなアンテナになる。バラン、マッチング部なしで直接同軸ケーブルにつなげられる。(小生はループアンテナにバラン不要論者) 以下がシミュレーション結果。

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http://jp1khy.air-nifty.com/blog/2019/03/post-f7ea.html  のオリジナル記事も参照ください。

 

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古いアイコムの無線機IC-706Sのビネガーシンドローム修復成功

ヤフオクで10W機を入手。LCDがビネガーシンドロームで見にくい。よって安く手に入った。

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パワーは出ている模様。10W機と言ってもファイナルは100W機と同じ。

旧スプリアス規格対応だし、きちんと50Wに調整し直して自作機として保証認定を頂くのもありかと思って、入手した。

たまたまHAM World三月号(2022)にビネガーシンドロームのなおしかたが掲載されていた。以前FaceBookの投稿で見たのと同じやり方。
雑誌との作業の違い:1.左の二つのツマミとボリウムは外さなくても良い。丁寧にフレキ基板ケーブルコネクタのラッチ(枠)を持ち上げてケーブルを抜く。2.接着剤剥ぎ取ったあとに仮組立して電源を入れるのは無理がある。偏光フィルムの向きは90度のいずれかなので、他のLCDで確認できる。雑誌サンプル写真のような斜めにする必要は生じない。(コントラストが微妙に変わるだけ)

アマゾンで偏光フィルムを購入した。やや高価な大きな物を購入(1500円)保護フィルム付で、接着剤はない。キズ防止には保護フィルム付が安心。剥がすのはセロテープで引っ張る。

同時に小さくて(8cm角)安価な物も買って見たが、保護フィルムも無く、購入時に既に擦り傷などがあった。

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分解、フィルム交換、組立は特殊な作業もなく焦らずやれば誰でもできる作業だった。一時間くらいか?

一番めんどうな作業は、古い偏光フィルムを剥がしたあとの接着剤の残りをLCDパネルから除去する作業。
手元の溶剤で、ラッカーシンナー、オイルクリーナー、無水アルコールなど試したが結局、作業中にあまりくさくない無水アルコールを使った。
溶け具合はシンナーかアルコールが良さそうだが大差ない。

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偏光フィルム交換では、新たなフィルムは貼り付けずLCDフレームとLCDの間にはさむだけで良い。

組み立てるときゴムのコネクタ(LCD-PCB接続)の位置関係などを心配をした。バックライトパネルの半田を外してモジュール全体をLCDの金属枠にきちんと組立てた状態でプリント基板にのせて固定するのが良い。組立後半田付けを忘れそうだが・・・。
(LCD取り付け枠を入れ物にして、フィルム、パネル、LEDを入れてゴムコネクタを挿入する。そのセットに基板を載せて固定するのが位置ずれを起こしづらい。)

とりあえず出力調整もできたので、進行中のハイパワーリニアアンプ製作(別プロジェクト)の調整信号源に使うことにする。144MHzは簡単な動作チェックで動作合格。

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PCの CPUクーラー を使ってハイパワー(400W~550W)ダミーロード 製作  ペルチェ素子導入は失敗

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少しハイパワーのPAを作ってみようとキットを購入してオモチャにし始めた。
まず引っかかったのがダミーロード。PAの入力ケーブルの不良に気がつかずにいじっていたら、ファイナルのLDMOS爆発炎上。
ケーブルの時々断線で、不用意にハイパワーが200Wダミーに掛かってオープン破壊。500W以上出たみたい。連鎖してファイナルの負荷がオープンとなったことで破壊焼損・・・と推定。(涙)
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ダミーロードの修理と、もうすこしハイパワーなダミーロードを作ろうと思い立ち、少し方向が変わってしまった。
まず壊れたダミーロードの修理は手元にあった250Wのフランジ付のチップを載せ替えた。左は修理後のダミーロード、右は10dB 200W減衰器を改造した3dB 200W減衰器(前置減衰器)(^_^)vで、いずれも12cmファン付。

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壊れたダミーのチップは面積も大きく放熱も良いように見えるが、急激なハイパワーでクラックが入って断線した模様。基材にはベリリア化合物が使われていて、有毒なので扱いに注意しろとOMのアドバイスがあった。

手元のCPUクーラーや、ペルチェ素子を使ってみようと思いヤフオクやアマゾンを眺めると冷却ユニットとして販売されている物がある。その他CUPUクーラーもいろいろヤフオクで見つかる。ヒートパイプ式のファン付が2k円前後で手に入る。まずは簡単なCPUクーラーの廃品利用。
もともとPCのCPUを冷却するのが目的なので、構造が扱いにくい。 取付に悩んだ挙げ句10cm角,3mm厚の銅板にダミーチップを取り付けてクーラーのCPU接合面部に押しつける形にした。

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設置する向きが問題のような気がして、ヒートパイプ方式をお勉強。パイプの中の液体(水?)が熱で気化し、それが冷やされてまた液体に戻ると言うことで、パイプの中で循環するとのこと。気化熱が冷却に寄与する。液体はごく少量で重力の影響はあまりないらしいが、オリジナルの固定向き(熱源が下でパイプが垂直)が原理的にも自然に思える。その配置で机上に置くためのスタンドを設けてそこに同軸コネクタも取付。

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冷却ファンは12cm角の12Vを2個取り付けた。追加のファンは容易に手に入るが追加の取付金具が手に入らず、1φのピアノ線でオリジナルを模して製作。

最初に壊したPAを修理後、電力源としてダミーの試験。300Wまではフランジ部の温度上昇も大したことなく無事に5~10分のテストに耐えた。チップの定格は250Wなので、冷やしさえすればもっと行くかと勝手な判断。
350Wを越えたところでダミーチップが焼損した。数十秒でやられた。熱だけの問題では無いように見える。

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どこかのOMの記事に、強制冷却すればダミー定格の数倍はもつこともあるとの記述があって鵜呑みにした。ダミー素子の構造により、もたないことがあることが解った、「大収穫」。 よく考えれば当然で、最大定格が何で決まっているかによる訳で、熱だけならその通りだが、耐電圧とか耐電流でリミットがあるとすれば数倍もつなどとは言えないのはごく自然であった。
今回の場合は250W定格であり、理想的な放熱をすればそこまでもちます・・・無理に冷却してオーバーパワーでは知りませんよと言うわけだ。耐圧に置き換えると約110V,電流で言えば2.2A程度。膜抵抗みたいな構造だろうから、耐圧というより電流の集中があったりするともたないのだろう。ここは単なる推測。物によっては冷却すればもつかも・・・例えば大型無誘導抵抗なんかは冷やせばいくらでも食わせられるような気がする。確かに数mm角の厚膜抵抗に数百Wかけるのは無謀だよね。

とりあえず手元にあるCPUクーラーで強制空冷ダミーロードを3台作ってみた。ダミーロードとしてのコアは250Wフランジ付の抵抗体チップ(写真の中央:最初にテストした物)、 TMT(東京マイクロウェーブテクニカ)製のダミーロードユニット500W(写真の右)、500Wフランジ付の100Ω抵抗体チップ2個並列(写真の左)、の三種類。

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そのうちの500Wチップ2個の物には仮にペルチェ素子を組み込んでみた。 いずれもダミーロード本体を10cm角3mm厚銅板に取り付けた上でCPUクーラーに結合する構造。ペルチェ素子の場合には銅板とクーラーの間に挟み込んで結露防止に周囲に断熱材(スポンジ)を配置。いずれも全体高さが約25cm程度でかなり大きい。
入手したペルチェ素子のデータシートによると、どうもかなりの電力を消費するということが解った。条件にもよるのだが12Vで数A~10A・・・・ペルチェだけで120Wも食う!大電力食わせてダミーから出た廃熱処理をするのはなんだか無意味のような気がする。(組み立ててから気がつくな!) 

温度推移グラフ1 TypeAは250Wチップ使用のダミー 温度推移グラフ2 TypeBは TMT500Wユニットのダミー

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温度記録はRC-4(Elitec社)で10秒ごとの記録である。RC-4はコスパの良い温度ロガーで使い勝手もよい。10秒間隔で数日の記録が取れる。記録後PCに取り込めばEXCELなどでグラフ化も自由。
温度センサーはできるだけ熱源に近づけたが、限度がある。500Wユニットは金属ケースに入っており、測定はフランジ部分でおこなった。もう少し電力が増やせそう。TMTのユニットの代替品が入手できそうもないので、壊すと修理不能になりそうで、350Wまでとした。ユニットケースが大きい分、熱容量も大きく温度上昇がゆっくりで、チップは2分で平衡するが、ユニットは5分程度かかっている。最高温度65℃程度であり抵抗体部分では80℃程度になっていると推定する。もうすこし食わせられるかな。
結論として、250Wチップでは300W、TMT500Wユニットでは350~400Wを限度として使用することにする。

もう一台の500W100Ω並列(2チップ)のものにはペルチェを組み込んでみた。簡単に300W でテストしたが、温度上昇がひどく、ペルチェが冷却の邪魔をしているような状況に見える。 途中で200Wに低減した。

Tyoec-perch  Typec-400w
ペルチェ自身が出す熱とダミーチップの熱を効率よくクーラーで吸収させるのはかなり難しい。ダミーを乗せた銅板の温度が簡単に100度近くまで上昇した。90度がロガーの上限。放熱不足が歴然。この時ペルチェ素子には12Vで8~9Aであった。役に立たぬ。

発熱量が小さな物をゆっくり 冷却するには良いのかも知れぬが、急激に温度上昇する熱源の冷却には適さない。現にCPUクーラーにペルチェを使っている物はお目に掛からない。

ペルチェ自体が期待できそうもないので、これを除去して、強制空冷だけでどうなるかテストしてみた。400Wで最高温度が70℃程度なので、やはりペルチェをはさんだことが冷却効果の妨げになっていることが解った。

ほかのType A,Bと同様の状況で、70℃程度で平衡に至っている。ダミーチップとしては500Wを2個並列なので理屈では1kW だが放熱が追いつかぬであろう。今回のデータからは500W程度は使えそう。

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550Wで温度テストしたのでグラフを追加しておく。ダミーロードチップ周辺の放熱を良くするように少し手を加えたので、温度上昇が遅くなっており、550Wでのの熱平衡は 4,5分後で75℃あたりのように見える。
Type Cのクーラーは92mm角のファンが3重連なので、かなり騒々しい音がする。他の2タイプは120mmの静音タイプを2連装で音は静かで、手をかざすまで動いているか解らない。
それぞれのダミーロード素子を組み込んだときに一応VSWR特性を確認したが、100Ω並列のTypeCは少しよろしくない。250MHzで1.2程度。他の2タイプは全く問題無く450MHz程度まで1.1以下であった。

数百円から数千円のフランジ付のダミロード(抵抗)素子と中古のCPUクーラーを組み合わせて200~500ワットクラスのダミーロードができた。ペルチェ素子採用は失敗であった。
今回使用した放熱グリースはAinex社のJP-DX1で熱伝導率16W/m・K(カタログ値)。

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JTAlert JTDX でHAMLOG出力ではB4が表示されない とりあえず解決

JTAlertを使っていて、ある日LOGファイルを消失してしまった。困った、全くB4表示ができなくなってしまった。
HAMLOGから作り直せば良いんでしょうと気楽に考えていたのだが、甘かった。

今回、なんとかHAMLOG出力のadiファイルを加工して、B4表示できるようになったので、備忘録。
対症療法なので、まねされても解決するか、保証の限りではない。

HAMLOGの「検索」「複合条件検索と印刷」でadi形式のファイルが作られることは承知していて、WebLOGサイトにアップするときにはよく使っている。

Hamlog  
あとから判明の<GRIDSQUARE>、全角を除く のチェックも必要。

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今回はFT8モード限定での出力を設定した。「検索1」でFT8を指定。

中身の項目についてはつぶさにチェックしたことはなかったが、アップロードして問題が起きたことはなかった。(eQSL,、LoTW、QRZ.comなど)   で、甘く見て、HAMLOGから出力したadiでそのままJTAlertに読み込ませれば良いと思っていた。しかしこれではB4が全く表示されない。
一方JTDXの操作で「ログに記録」ボタンでログに追加した局(新規QSO)はチャンとB4として表示されることが判明。
JTAlertのログファイル(wsjtx_log.adi)をテキスト表示すると追加した行はやたらに長いことが解った。
記録される項目数がHAMLOG出力の部分よりはるかに多い。

どの項目を追加すれば良いのか、(涙ぐましい努力)カットアンドトライの結果、いくつかの項目のうちどれかが欠けるとB4表示してくれないことが解った。
自局のコールサイン、GL、ZONE、RX_ BANDなど簡単にコピーで追加できる項目は念のために追加した。
いろいろやってみた結果から推定すると、相手局のGL(グリッドロケーション) がないとまずいらしい。 
相手のGLはJTDXがどこからGLを得ているのか解らないが、歯抜けのようにGLが無いレコードには手書きで追記した。
adif2xls2adif_v0.99b.xls でエクセルファイルにしておいて、いろいろ加工するのが便利。
( https://mqc.beepworld.it/libreria-software.htm )

あるいはADIFMasterというフリーソフトが使える。( http://www.dxshell.com/software.html )

Adif  

こうしてブランクの項目にデータを追加することでJTAlert上のB4表示が出来ないことは解決できた。

なおこの過程で、他のOMの皆様のブログで、OMが経験した同様の事例の中にHAMLOG出力adiに全角が含まれると不具合が生じる事例も紹介されていた。これはHAMLOG出力設定で「全角を除く」にチェックが必要。

ついでにと言っては不謹慎だが、JTDX本体のB4表示はやはりHAMLOGの出力のままではB4表示できず、STATION_CALLSIGNとMY_GLIDSQUAREのいずれかまたは両方がないとまずい模様だ。
私の場合にはJTDX、JTAlertのログは他には使用しておらず、B4表示のためだけに必要な条件なので、以上の条件は、 他になにか影響が出るかもしれぬ。

以上はJTAlert、JTXがB4表示するための、HAMLOG出力adiファイルの加工条件。
対症療法でのメモなので誤りもあるかも知れず、ご容赦ください。

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より以前の記事一覧